はじめに|雨の日モトクロス、走る?やめる?
読者の疑問:「走ったほうがいいの?」「危なくない?」
結論から先に。初心者の皆さんは雨の日のモトクロスはやめておくをお勧めします。
雨の日のモトクロスは難易度が圧倒的に上がります。真っすぐ走る事すら難しく、
転倒を繰り返すことになります。マシンと体を壊す確率が上がります。
結果、マシンと体の修理を次の週末に行う事になります。たぶん負のスパイラルです。
初心者の皆さんには雨の日は乗らないことをお勧めします。
でもね、もしそれでも楽しそうだと気が付いてしまったなら、
一緒に走りましょう!実は私も雨レースが得意です!!!!
オフロードバイクの最大の楽しいところです。
雨の日のメリットとデメリット
メリット
- 泥遊び感覚で楽しい
- グリップ感覚の練習になる
- 圧倒的にスキルUPに繋がる
- 超低速走行となるので大怪我のリスクは下がる
- ニーグリップの意識が確実に高まる
- 真っすぐ走らせる為の必要なスキルが確実に身に付く
- コーナー進入のブレーキが確実にうまくなる
- コーナークリッピングまでのパーシャルアクセルワークが上手になる
- 立ち上がりは全開あるのみだと改めて実感できる
- 総じて、レースで上位に入りたいならば、雨でもマッドでも乗らない選択はない
デメリット
- 小さな転倒リスク増加
- 車両・装備の消耗激しい
- 修理、交換部品が発生する。
- バイク洗車がとても大変
- ウエア類の洗濯がとても大変
- DRYとはバイクの挙動が異なるので、DRYのマシンセッテイングはあまり進まない
- トランポの中が汚れて車内清掃が大変
雨の日に走るなら絶対に揃えたい装備
ゴーグルの防泥対策(ロールオフ・ティアオフ)
最初にゴーグルの防泥対策。雨の日の走行で最も重要な対策です。雨の日の走行では路面の泥がゴーグルレンズに飛んできます。前を走行する車両からの泥と自車のフロントタイヤからの泥が飛んできます。
それはそれは大変なことになります笑。雪合戦ならぬ泥合戦です。雨の日の走行はお勧めしないと言ったものの、一度は乗って頂くと分かるかと思います。この泥試合感が楽しくてハードEDやってる人はいると思いますけど。。。
私は最近時、雨やマッド走行を行ったとしても、長時間は走りませんので、ティアオフのみですがロールオフも30分以上連続で走行するならば有効なアイテムです。
ロールオフもティアオフも装備として揃えるのは簡単ですが、使いこなすにはスキルが必要なアイテムです。初心者の皆さんはまずDRYの日からティアオフをめくる練習をすることをお勧めします。
防水ジャケット・レインウェア
練習ならば濡れっぱなしでも短時間で走行完了させ撤収すればOKですが、MXレースを想定すると、レインウエアは重要なアイテムになります。レインウエア上着は防寒を兼ねます。レインウエアのパンツは泥落としを短時間で完了させる事ができます。いずれも、公式練習後にすぐ予選が開始されるようなレース本番のシチュエーションの時に公式練習だけレインウエアを着るか/着ないかでパドックでの準備時間の使い方に大きな差が生まれます。
落ち着いて雨レースでのタイムスケジュールを過ごす上で、レインウエア上下1セットはぜひ欲しいアイテムです。使い捨ても含めて安いものでOKですので、準備することをお勧めします!
泥落とし専用のヘラ・洗車用品
私の場合は”しゃもじ”がMUSTアイテムです。走行後パドックに戻ってくるとバイクに付着した泥の多さに気が付きます。これを落とすのに”しゃもじ”が有効です。しゃもじは樹脂か木製だと思いますが、バイクの外装部品と同じかそれ以下の硬度なのでやさしく泥を取り除くことが出来ます。ブーツの泥落としにも有効です。
洗車機は当然あった方がいいですが初心者が個人で所有するにはあまりにハードルが高いですよね。また、洗車機相当のものがあったとしても、中途半端に水をかけると余計にドロドロになる場合もありますので、初心者の皆さんはまず、しゃもじなどでマシンの泥を落とし、天然で乾きやすい環境に近づけることに集中すると良いと思います。
高精度なエアゲージ
マッド走行ではタイヤの空気圧を50Mpa(0.5キロ)くらいまで落とします。空気圧を落とすとグリップが確実に良くなります。当然雨の日はマッドタイヤ(雨用のブロックのピッチが広く高いタイヤ)が良いですが、HARD用やMID用でも空気圧を落とすとグリップは確実に良くなります。
ただし空気圧を落とし過ぎるとパンクしやすくなります。そこで、精度よく空気圧を管理するために高性能なエアゲージが必要になります。低圧でも精度よく圧力を測定できるもの。信頼できる繰り返し精度があるもの。
もし雨の日も走行するならば、ぜひ高性能なエアゲージを準備してください。
雨の日走行の注意点・コツ
走行ラインは直線的に
雨の日は基本は直線的に走り、コーナーはリスクが伴うので短時間で最小限で完了するように心がけます。
バイクはアクセルを開けて駆動力をかけているときが最も安定します。よってアクセルを出来るだけ長く開けていられるようなラインどりを捜すのです。
アクセルは出来るだけ閉じない。
コーナーのラインどりはIN/OUTに拘りはなく、綺麗な安定したバンクがあるところを捜してそこで方向をかえます。何もきっかけが無いところで方向をかえるのは雨の日は最も避けることです。
また可能ならば、低いギヤで良いのでアクセル全開を行います。全開にするとバイクが超安定状態に入り、ある程度スピードも出るので、ブロックタイヤに付着した泥や、フェンダー裏などの泥が振動で落ちます。泥が落ちるとマシンは軽くなりますので、更に走行安定性が改善します。チェーンまわりの泥も落ちます。アクセル全開はいいことずくめです。
急ブレーキNG・スムーズなアクセル操作
前項に関連しますがアクセルは出来るだけ閉じないことを目指しますので、当然ブレーキは無しが良いです。特に急ブレーキは前後タイヤの分担荷重のバランスを一気に崩してしまうので、転倒する可能性が高まります。
フロントブレーキを使いたい場合は轍の中に入っている場合は多少安定してフロントブレーキングが可能です。横滑りしにくい轍があるからです。
リヤブレーキは雨走行ではあまり使いません。ロックしやすいのでコントロールが大変難しいからです。リヤタイヤ側での減速が欲しい場合はエンジンブレーキを使ってみてください。ただしこれも、雨の日はロックしやすいので、ハードなエンジンブレーキは禁物です。
前後ともにブレーキを行う場合はバイクを真っすぐ立てて、フロント荷重がかかり過ぎないように、腰を引いてブレーキングすることが、DRY以上に求められます。
無理しない・疲れたらすぐやめる・集中力がきれたら休む
雨の日は転倒のリクスが高く、マシンも体も壊す可能性が高まりますので、集中して走行し10分走ったら休憩する。これで全く問題ありません。雨の日に10分間転倒せずに走る事ができれば凄いことです!!!!!
転倒すると、ハンドルは曲がり、レバー類は損傷し、グリップは破れ、グローブはドロドロ。バイクを起こす作業とエンジン再スタートに相当な体力を使います。短時間の走行でも転倒せずに走ることを繰り返した方が得るものは多いです。
まとめ|「無理せず楽しく」が一番大事
走る・やめるの判断は“無理せず楽しく”がポイントです。
雨の日に走るならそれなりの装備が必要です。
その装備と覚悟の上で走るならば、雨の日はこれほど練習になるものは無く、
そして子供の泥遊びのように突き抜けた楽しい時間になります!!!!
それではまたね。
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