モトクロスを始めて最初にぶつかる壁のひとつが「タイヤ交換」。特にチューブをうっかり噛んでしまって、せっかく組んだのにパンク…なんて経験をした人も多いはずです。初心者にとってタイヤ交換はちょっとした大仕事ですが、実はコツさえつかめば失敗をぐっと減らせます。この記事では、チューブを噛まないためのおすすめ方法をわかりやすく解説していきます!これから自分で整備に挑戦したい方は必見です。
ポイントは3つ 一度空気を入れる、ビードクリーム/タイヤパウダー使用
①タイヤビードは片面しか装着していない時点で一度空気を入れる
新しいタイヤをリムに装着し、チューブを中にいれますが、その直後に一度チューブに空気を入れます。タイヤビードは片面しか装着していない時点で空気を入れる事がポイントです。タイヤの中に入れたチューブのねじれや偏りを空気を入れる事で、正しい位置に移動さることが出来ます。奥の方にチューブを定着させることが出来ますので、残りのビードを上げて行く作業でタイヤレバーで傷をつけにくくなります。写真のように片面のビードはまだ装着していない状態で一旦空気を入れるのがポイントです。

②タイヤビードクリームを丁寧に念入りに塗る。リムにも塗る。
チューブを噛んでパンクさせる一番の原因は、ビードをリムに上げるときのタイヤレバーでの作業中で発生します。できるだけスムーズにビードが上がれば、チューブを傷つける確率が減ります。どんなにタイヤレバーが高級なものを使用しても抜き差しの回数が増えるとチューブの噛み込みや傷をつける確率は増えますので、それを抑える効果があります。ビードクリームをビードに念入りに塗る。リムにも塗る。これによりタイヤが容易に装着できます。原始的ですが、最も効果があります。

③タイヤパウダー(ベビーパウダー)をタイヤ内部、チューブに塗る
チューブが正しい位置に収まり、チューブが偏った位置で張り付くことを防止しますが、タイヤ&チューブを装着する最初のタイミングでこのパウダーは最も効果を発揮します。新品チューブには白い粉が付いていますよね。あれです。
発生事象の確認です
モトクロス車のタイヤ交換って重労働で難しいです。ショップにお願いしている方も多いと思います。エンジン組み立てより、よっぽどノウハウの塊だと私も思っています。難しいと感じる事象を洗い出してみます。
・どういう作業台で行えばよいかわからない
・どういう作業姿勢で行えばよいか分からない
・タイヤレバーで力ずくでビードを上げるときにそのチカラ加減がわからない
・作業中のタイヤレバーが外れると結構危ない
・頑張ってタイヤ装着したら、回転方向が逆だった
・頑張ってタイヤ装着したけど、空気いれてもビードが上がらない
・頑張ってタイヤ交換したけど、ブレーキディスクが曲がった
・そして頑張ってタイヤ交換したけど、パンクしてた
一番ショックなのは、パンクではないでしょうか。そもそも走れませんよね。
タイヤ交換でパンクする主な原因
タイヤレバーでタイヤのビードをリムに装着していく作業中に発生します。ママチャリやロードバイクでも基本的に同じ構造で、同じ作業で、同じ事象は発生します。タイヤレバーを使ってビードを弾性域の範囲で伸ばしながらこじってリムに上げていきますよね。タイヤレバーを挿入しててこの原理で持ち上げるときにチューブをタイヤレバー先端で傷をつけてしまいます。ママチャリタイヤに比べると、ビードの張力が強いです。硬くてビードが上がらないので、だいたい皆さん何度もタイヤレバーを挿入して少しづつ作業すると思うのですが、そのときにタイヤレバー先端でパンクさせてしまいます。
昨今のモトクロスタイヤは扁平率が低いので、タイヤのサイドウォールの柔らかい部分が少ないです。
これもタイヤ交換でビード装着する際に硬いと感じる原因だと思います。18インチのタイヤは扁平率が大きくてサイドウオールの面積が広く、タイヤの柔らかい部分がひろいので、比較的装着しやすいです。

よって工夫すべき部分は傷が付きにくいタイヤレバーを使うとか、
柔らかいタイヤを選ぶとかありますが、コストが高くなったり、タイヤの選択肢が狭まったりしますので、私は以下をお勧めします。
ポイント3つ その根拠、
タイヤ装着中に一度空気を入れる
チューブは空気を入れていない状態ではヨレヨレですよね。タイヤ内にチューブを入れた直後って 捩れたり偏ったりしていますが、見えにくいので案外みなさんそのまま作業を継続します。 チューブが本来のタイヤ中央部に収まっていない状態でビードを収める作業を開始してしまうと
タイヤレバーでチューブを噛むことがあります。 空気を入れるとチューブが収まりの良い位置/正しい位置を捜して安定します。
その後空気を抜いても良い位置に収まり続けますのでタイヤレバーでチューブを噛む確率が格段に低くなります低くなります。 BESTなのは空気を抜かないままビードを上げる事ができればチューブを噛む確率は更に高まりますが、 硬くてビードが上がらないと思いますので、一旦空気は抜きます。
タイヤビードクリームを塗る リムにも塗る
これとても重要です。そもそもゴムなので、リムに対してもグリップしてしまいます。 リムにタイヤを装着するときに、ゴムがくい付いてスムーズにビードを上げる作業をバリバリ邪魔します。 路面にはグリップして欲しいのですが、タイヤをリムに装着するときはスムーズに動いて欲しいのです。 ビードクリームが無い場合はCRCなどで代用しますが、本来ゴムには良くない成分が入っていますし、残留し続けると走行中もリムとタイヤが滑り続ける可能性が発生します。 その点、ビードクリームはそれ専用のクリームですので、走行中への影響がない事をメーカーが保証してくれています。
硬いサイドウォールの欧州系タイヤなどにはビードクリームはMUSTアイテムです。

タイヤパウダーをタイヤ内部とチューブに塗る。
これはチューブに空気を入れた際にチューブがタイヤ内部で正しい位置を捜し安定する効果を高めます。タイヤもゴムですが、チューブもゴムです笑。内部でグリップしてしまい、くっ付いてしまいます。特に最初が肝心なんです。特にタイヤ交換時という、本当に一番最初に必要です。タイヤにチューブを手で入れた後はだいたい捻じれ、ゆがみ、偏り、潰れ が起きています。そのままタイヤレバーで最後のビードをリムに上げようとすると、チューブをタイヤレバーで傷付けてしまいます。
①でお勧めしたように、途中で少し空気を入れるとチューブが膨らんで正しい位置に移動するのですが、そのチューブの移動を助けます。摩擦抵抗低減です。ゴムにはパウダーを使います。これも赤ちゃん用のシッカロールが代用できますが、成分影響を考慮するとタイヤ/チューブ専用のパウダーがBESTです。 私は自転車も乗るのでパナレーサーをお勧めします。
チューブが新品の場合はチューブにはこのパウダーが付いていますが、中古品やパンク修理した直後は ぜひこのタイヤパウダーを付けてから作業を始めてみてください。 作業中にパンクする確率を低減できます。
まとめ
タイヤ交換マジ大変です。 せっかく交換したのにその後パンクが発覚したときのショックは計り知れません。できるだけラクに確実に入れるための汎用性の高いノウハウとグッズを紹介しました。
・チューブをいれたら、一旦空気を入れてチューブのねじれを解消させ定位置を出す
・ビードにはクリームを確実に塗る
・チューブにはパウダーを塗ってチューブの自然な定位置出しを助ける
コスト最小限で確実に良くなりますので、試してみてください。
それではまたね。
コメント