2ストキャブの調整で避けて通れないのがジェットニードルのセッティング。ですが、実際に分解・組み立てをしようとすると「どうやって外すの?」「向きは合ってる?」と迷う人も多いはず。この記事では、ジェットニードルの外し方・組み方・注意点を実際の作業手順に沿って詳しく紹介します。
ジェットニードル組みばらし作業特化記事!それでは早速行きましょう
前提条件
マシン:2000CR250R
キャブの種類:KEIHIN TMX 38

必要な工具・道具
6㎜ボックスレンチ
MUSTではないがプラスドライバー
安定したスタンド
環境と安全確保
キャブは横向きにしなくても作業可能ですが、念のためガソリンコックをOFFにします。
作業時はバイク左側面からキャブを覗き込むように作業を行いますので
サイドスタンドではなく、リジットの両足スタンドが視認性と安全性が確保されます。
👉関連記事 ジェットニードル段数調整実践初級編です初級編!2stキャブセッティング ジェットニードルのクリップ段数調整
作業開始!キャブレター上部を取り外す手順
①スロットルワイヤーが接続されているトップキャップを外す
キャブのトップキャップを緩めます。KEIHINはねじ式なので簡単に取り外せます。
基本は手が入るスペースを設計的に確保していますので、キャブの姿勢はこのままで
作業は可能です。私は無精なのでこのままキャブトップを緩め取り外します。


②スロットルバルブとスプリングを一緒に引き抜く
緩んだらこのままキャブトップとスロットルバルブを引き抜いて表へ出します。

③スロットルバルブに取りついたジェットニードルを確認する
こんな感じ。

ジェットニードルの取り外し方法
ここからワイヤーを取り外します。
①スプリングを押さえながらワイヤーを外す
まずスロットルバルブ内のスプリングを縮めます。
できるだけ全部縮めてそのうえでインナーワイヤーを掴みます。


できるだけ全部縮めてそのうえでインナーワイヤーを掴みます。
掴んだら少し押し込んで横にずらすとワイヤー先端のタイコが外れます。

②スプリングとスプリングシートを飛ばさないように外す
外れたら、スプリングの先端に付いていたスプリングシートを飛ばさないように外します。

②ニードル押さえ金具兼ワイヤーホルダーを外す
スロットルバルブの中を再度覗くと6角形の頭が見えます。
これ緩みます。6㎜のソケット登場です。

工具を使って緩めます。

するとこの部品が取り外せます。

③ニードルをそっと引き抜く
これでジェットニードルを取り外す事ができます。
おめでとうございます!
ちなみに作業中に気が付いたと思いますが、ジェットニードルはスロットルバルブに少しガタがある状態で
保持されています。このガタは必要なガタですので気にされないようにしてください。

注意点
🔧 注意点:クリップ位置を変える前に、現在の溝位置を必ず記録しておくこと。
写真を撮っておくと再組立時に迷いません。
別記事で書いた6月のEDに向けてセッッテイングしたときのままですので、
クリップは上から2段目になってますね。ちょい薄い状態。

ニードルのクリップを外す クリップを紛失しないマル秘作業方法!
ここからは別記事でも書いた、私のマル秘作業方法です。
ラジオペンチやプライヤーでクリップを掴んで組みバラシ&組付けしようとすると、だいたい紛失します。
よって私の場合ですが、以下のようにしてクリップを取り外し、逆の手順で組付けます。
クリップがどこかに飛んでいくことは無いのでお勧めです。
①硬い平たい金属面にクリップ合わせ面を下向きにしてセットする
とりあえず今回は目の前にあったノギスの平たい面で作業します。

②そのまま静かにジェットニードルを抑える
ズルっと左右にぶれないように上からそっと抑えます。写真では分かりやすいようにクリップには指をかけていませんが、できれば指でクリップも押さえながジェットニードルを押し付けます。
写真のような位置まで押し付けてクリップをスライドさせます。

③最後に指でクリップを取り外す
最後に指でクリップを軸から丁寧に取り外します。プライヤー等で行うとだいたい掴み損ねて紛失しやすいので指で作業するのがいいです。②の位置までクリップがズレていると指で取り外せます。
この方法が最もクリップを紛失させたり変形させたりしない安全なやり方です。
組み立てはこの逆の手順でクリップをセットします。

組み付け時のコツと注意点
ワイヤーのタイコは確実にセットする
取り外したときと逆の手順です。
横からワイヤーのタイコを溝に入れて少し引き上げるとセットされます。

タイコの固定部はこんな形状だったことを思い出しながら作業してみてください。

樹脂のスプリングシートはワイヤー溝に向きを合わせる
この樹脂の内径部には凸形状があります。
この凸形状をタイコホルダーの溝に合わせてそのままスプリングのチカラで
奥の着座面まで落とし込みます。
これはワイヤーのタイコが外れないようにするための安全装置です。
注意して組み立ててください。


スロットルの動きを手で確認し、引っかかりがないことをチェック
よくある失敗例
樹脂のスプリングシートが溝に正しくセットされていないと、ワイヤーのタイコが外れてスロットルバルブが
コントロール不能になります。私は外れたことはありませんが、要注意です。
まとめ
今日は、ジェットニードルの分解、組み立て方 でした。
組付け時のスプリングシートの溝挿入だけ気を付ければ、難しい作業ではありません。
ぜひTRYしてみてください!
またね。
👉両足スタンドメジャー商品です。まず間違いはないお勧め。
👉クリップを外す時に平い硬い面が必要です。その他汎用測定ごとにお勧めのミツトヨのノギス。
👉ブレーキクリーナーとは別にキャブクリーナーは1つは欲しいです。ガム成分の除去。


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