マディコンディションレースの2stキャブセッテイングってどうしたらいい?

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モトクロスで一番やっかいなのが「マディコンディション」。ぬかるみや重たい路面では、2stエンジン特有の鋭さが裏目に出てしまい、「全然前に進まない…」なんてこともありますよね。そんなときに大きな差を生むのがキャブセッティングです。この記事では、マディコンディションならではの2stキャブ調整の考え方と、実際に僕が試してきたポイントを解説します。泥んこのレースでもバイクをしっかり走らせたい方はぜひ参考にしてください!

結論!メインを濃くします。ジェットニードルは薄い方向で!

どマッドコンディションのMXレースは全開率が高いです。また低いギヤで走ることが大変多くなります。

よってメインジェットは3ランク前後濃くしておきます。

ジェットニードルの軸は太く、クリップ段数はSTDに対して上側にセットしてアクセル開度(バルブ開度)に対してガソリンが薄くなる方にセットします。

これによって、アクセル中間開度では薄く、アクセル全開では濃くなる方向になります。

ど!マッド直線番長エンジンセッテイングの出来上がりです!

エアークリーナーBOX横に穴があるなら目張りします!

もう一つ、キャブセッテイングではないですが、エアクリーナーBOX横に穴がある場合は目張りします。

シートとエアクリーナーBOXに隙間がある場合はこれも目張りします。

エアクリーナーエレメントに水を一気に被ると、失火することがあります。

デフォルトとして吸入空気量が減る状態になったとしても、唐突に一気に水を吸い込むことによって、

失火→ENG停止を避けます。

今日の課題と対応についておさらい

こんにちは。

今日はマッドレース時に準備するならば、こうしたいというキャブセッテイング&A/C BOXまわりについての配慮の話しです。

今日は4月1日。これから始まるレースシーズン。前半はつゆ明けまで雨レースが数回あるでしょう。

そんなとき、ただMUDタイヤとティアオフを束でセットして気合でレースに臨むのも当然ありですが、エンジンに対して多少やれる事はないか?と考えた方のために少し良い方向のセッテイング情報を解説します。

すべてはちりも積もれば山となります。それでは行きましょう!

想定するシチュエーション!

マッドコンデイションもいろいろあります。

今日私が想定するのは408、オフビ、モトビのような左右に雨水があまり流れ出る地形ではない平地コースのマッドレースを想定しています。ウッドチップやサンドを含む大変柔らかいマッドコンディション。

あさイチの公式練習は一見さら地に見えますが走ると畑のような深さのマッドをシャバシャバの泥を左右に飛ばしながら走り抜ける状態。予選が始まる時間には多少轍が出来始めているが、

まだまだ雨は降り続けているので、水たまりは変則的にある状態で畑のような深いマッドが

ほぼ半周以上は残る険しい状態。

このようなシチュエーションを想定しています。

なぜ、全開では濃く、低中間開度は薄めがいいの?

はい。そこですよね。まず全開領域ですが、マッド走行はある程度走れる人はエンジン負荷が高くなるモードです。

迷走する轍で転倒したくないので、おそらく普通の初級、中級者の皆さんは、低いギヤで全開で、ストレートを

走り抜け、コーナーは一番安全そうな轍に入って確実に方向をかえて、また全開をくれると思います。

コーナー直後にあるジャンプでは轍が深くなり、ステップを擦るため超極低速でただ通過するような

走行をするのかと思います。1速全開で両足をバタバタさせながら。。。

こんなモードでは走行風で冷却は期待できません。よってメインジェットを濃くして、燃焼温度を下げ、

なおかつガソリンの気化熱による冷却をも引き出すために、濃いめにキャブセッテイングを行うとオーバーヒートによるリタイヤの可能性を下げる事ができます。

ただし、濃いのはアクセル全開時のみであり、アクセル中間開度ではジェットニードルの

クリップ段数を薄い方向にすることで、中間開度の特に過渡特性は薄くすることができます。これによって低速域から素早くエンジンのパワーバンドに持ち込む事が出来ます。2stマッド走行でもっとも安定するのは確実な駆動力がある7000回転前後からのパワーバンド域です。走破性と安定性、それから高温耐久性を確保するセッテイングです。

👇関連記事 ジェットニードルセッテイングについて初級編!2stキャブセッティング ジェットニードルのクリップ段数調整

エアクリーナーBOXは目張りしていいの?

はい。先ほど少しふれましたが、エアクリーナーに一気に水を被ると失火することがあります。

エンストです。レースでエンストはタイムロスと体力損失、転倒によるマシンダメージが発生します。

ちなみに水を少し吸い込んだくらいでは、失火はしてもエンジン破損はした経験は私はありません。

エアクリーナーBOX横等にある大きな吸入経路を目張りすると当然吸入空気量は減ります。特にアクセル急開した際のエンジン特性は少し悪くなります。しかし雨レースではそれよりも失火エンストを回避したい。

そういう優先順位の考え方から行う雨対策です。

ちなみに目張りすると、キャブセッテイングも変化させる必要はありますが、ライダーが乗ってみて判断し必要に応じ行えばよいレベルです。基本的には濃くなるので、雨レースとしてはやりたい方向ですので、

そのままで問題ないです。

エンジン冷却と、ジェットニードル補足

メインを濃くするので、1速全開で走り続けたとしてもそのENG負荷は下げることが出来ます。

具体的には水温上昇を抑制できますので、オーバーヒートを回避する方向にできます。

2スト特有の冷却方法です笑。2ストは4ストとは異なり、混合気はリードバルブ、クランク室及びクランクシャフト、ピストン裏、シリンダー総気通路、ヘッドに流れていきますね。まるで第二の冷却システムです。しかも、最後は燃えて無くなり、新しい冷えた燃費は次々と供給されます。ライダーが、走り続ける限り。全開で走れば第二冷却システムは最大流量です!

つぎにジェットニードルセッティングについて。

ジェットニードルクリップ段数で中間開度は薄くしますので、ENGピックアップは良くなります。暖気運転で過度にふけ上がるようならば、変更する必要はありませんがこの領域はDRYより丁寧にセッテイングしたほうが乘りやすくなります。

続いてジェットニードルの根本軸径について。マッド走行は一部がツルツルの場所が必ず出てきます。低速域のパーシャル特性をきっちり作るとこのような場所では走り易くなりますが、ニードル根本のストレート径を調整する必要があります。全閉のアイドル域から徐開したときの『パンパンパン』からの『パラパラパラ』という一発一発の着火感が格段に良くなりますぜ!これは、ドライでも硬質のタイトーターンなどで武器になるので日頃から詰めておくとよいです。

これら徐開からの中間開度セッティングが出ていると、マッドの抵抗によって不用意に駆動力を取られエンストしそうになっても素早くリカバリーできます。

また半クラッチでエンスト回避したり、パワーバンドに入れる作業がより容易になります。

雨レースではパワーバンドに安定的にENG回転数を維持して安定的な駆動力を得て安定走行したいので、この中間開度での素早いエンジンピックアップ性能は特に雨レースのような過酷で集中力が途切れやすいシチュエーションでは助けになります。

田んぼのようなコースをウイリーして走り抜けて下さい!

まとめ

ど!マッドレースでの2stキャブ車セッテイングは、

メインは3から5ランク濃くして燃焼温度を下げ燃料冷却も促しオーバーヒートを回避。

またメインを濃くすることで、アクセル全開開け待ちでの太く幅の広いトルク特性を引き出す。

エアクリーナーBOXは目張りを行い水が大量に一気に入って失火エンストを回避するようにする。

ど!マッド雨レース、実は私は結構大好きです。昔のHARP。私は田んぼのようなコースの方が

縦横無尽に曲がることができて、楽しかった笑。

みんな雨レース、どマッドレース頑張れ!!!気合だ!

それではまたね。 1998年頃のHARP練習後の夕焼け、1990C1500EXTと1995CR125.

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