4stエンジンの高回転全開でエンジンが綺麗にまわらない時は何がおかしいの?
4stエンジンでアクセル急開で高回転の時になんだかエンジンが綺麗にまわらない!どうしよう~。
カムにのった一番気持ちの良い吹け上がりの瞬間になんだか変なフィーリング。
バババっと 小さな燃焼音がする。馬力が凄い落ちている感じではないですが、正常ではないと分かる。こんなときありませんか?
こゆとき、2stキャブ車と異なり4stFI車セルオンリーの最近の車両は電装系が複雑で悩みます。
ENG単体でみても2st engとは異なり部品点数が多く、メカニカルな不具合を気にし始めると
キリがないほどにチェックすべきところが考えられますよね。
あ〜。どうしよう。どこから手をつけよう、、、。
とりあえず、エンジンは掛かるし、CRF450の中低速を活かして走れば走れなくはない。
いやでも回すとなんだか、バババって微妙に失火っぽい音と若干の失速感がある~。
うーん。。。こういう時って何が悪いのか、
どうしたらいいのか、
悩みますよね。
原因はプラグ!
こういうときの原因はプラグです。 実は超イージー。
まず何より最初にプラグを新品交換してみてください!
4stモトクロス&FI車は最近あまりにエンジンの制御が自動化され高性能すぎて、
特にプラグは無交換になりがちです。
ぜひ、マニュアル記載の頻度で交換しましょう。
表紙の写真のプラグは私の使いまくったプラグです。2stのプラグ取り付け環境と異なり4stのプラグ取り付け環境は閉ざされた空間になりがちなので、洗車や冷熱による湿気が籠るのでしょうか。外観もガッツリ錆びてしまって申し訳ない感じになっていました。錆てるという事は、このあたりで火花が出てたかもしれませんね。ありがとうプラグ。君の仕事はこれで終了です。お疲れ様。
トラブルシューティング 事象確認!
部品交換や、エンジン全バラなどの前にぜひ皆さん以下の項目を参考にチェックしてみてください!
・アクセルを開けているときに鳴ります。
・高回転でバババと小さな音が聞こえます。
・停止してニュートラルで空吹かしすると、レブリミットまで綺麗にまわります。
・走行中の2速全開急加速時にあるNeで必ずバババと鳴ります。⊿Neモードで鳴る。
・MXコースを1周する際に、いつも同じ場所で鳴る。
・パーシャルで高回転まで持ち込んだ時はバババと鳴りません。
・あくまでも急加速中/中~高回転/アクセル全開で鳴る。
・オプションでユーザーが調整可能なFI噴射量と点火時期のECUセッテイングは警告域には入っていないです。
・レブリミットに当たったときの『バババ』という音に近いですがその音は小さいです。
・アクセル戻したとき(アクセルOFF)に『パンパン!』となるものとは異なる。(アフターファイヤーではない)
・失火のようなほどの駆動力の低下は無いですが、若干加速が鈍ります。
(450の暴力的加速が鈍るので、乗りやすいっちゃ乗りやすい笑。)
・エンジンの始動性は悪くありません。
・エンジンは半年前に全バラ行い、バルブまわり、ピストンまわり、腰下をメンテ済みです。
・タぺクリは要件値内です。
・バッテリーの電圧は要件値以上あります。
・私は2stバイクも乗りますので、混合ガス用の携行缶は共用しています。2stOILが少し残っているか。。。
プラグ交換頻度振り返り
今回は私の発生事象で、プラグ交換で結果的に改善しました。
私のプラグ交換の頻度を考えると、、、、。
いや最近ですね、結構忙しくて。
バイクも動態保存せねばならない車両とかいっぱいあるしですね。
笑。
ざっくり2年(以上)は交換してないです。
半年前に2速のギヤ抜けが気になってエンジン全バラにしました。
しかしその時もプラグは交換しなかった。。。
だって電極見ても2stプラグのように黒く煤けておらず、イイ感じで焼けてるんじゃ?って思ってしまってました。
せ、せこい。
半年前は全然違和感は無かったので。。。。
プラグについて
プラグは劣化、電極摩耗すると、本来の正しい火花が発生しなくなります。
火花が弱くなったり、その他の部位から火花が発生するようになります。
特にその他の部位から火花が発生すると、当然燃焼室で本来着火が真っ先に
始まって欲しい位置とタイミングで燃焼が始まらないので、
着火できたとしてもOEMが開発時に狙った燃焼が発生しません。いわゆる異常燃焼に近いものです。
ちなみに
劣化したプラグは特にいろんなところから火花が出てるようですね。なんとなく知ってはいましたが、
今回改めて勉強しました。最低限火花は飛ぶから、なんだか違和感は少しあるけどそのまま乗っている
という人は多いそうです。特に4R乗用車。
2stではキャブセッテイングをハズし、エンジンの調子を崩した時に皆さん真っ先にプラグを交換しますよね。例えばプラグを被らせた時。
よって2st乗りはプラグは劣化消耗限界まで使いきる事は少ないのかと思います。
4stFI車では燃調ズレによるエンジン不調がほぼ無いために、
今回の私のようにプラグの電極摩耗という経年劣化の限界まで
使いきってしまう事があるという事なのだと思います。
引用元:NGK
- 外側電極や中心電極の消耗により失火状態が発生すると、燃費の悪化、エンジン出力低下、過度な振動によるパーツ破損を招くおそれがあります。また、不完全燃焼状態でのエンジン使用は、排気系センサ、触媒等の損傷にもつながります。
- スパークプラグは消耗品です。安全で快適なカーライフのために、スパークプラグの定期的な点検・交換をおすすめします。
用語補足
①アフターファイア、バックファイア
未燃ガスが燃焼室の外で燃焼することがあります。EXH側で燃えたり、INTAKE側で燃えたりします。『パン』と鳴ったり『バババ』と鳴ったりします。しかしいずれの場合でもアクセルを閉じている時か、パーシャルの時に鳴ります。ライダーもいつ鳴ったか自覚できる場合が多い事象です。鳴る事自体はDR(ドライバビリティ)に直接関係がない場合が多いです。
原因はバルブシート周りの劣化や摩耗による未燃ガスの吹き抜けのほかに、DR向上を狙った意図的な燃調、点火タイミング、カムのオーバーラップなどがあります。4RのSUPER GTや2RのJSB1000で減速時やパーシャル区間で、バババババっ!と鳴りまくってますよね。
また、EXHシステムASSY交換により内部で淀み、内部で着火爆破しやすい構造が原因の場合も一部あると思います。サイレンサーのみ交換したビッグスクーターが、減速でバンバン鳴ってたりしますよね。
我々サンデーMXライダーは今回の様な事象の場合、まずアフターファイアかどうかを疑いますが、鳴っているタイミングがアクセル全開中か、全閉中かで原因系を大きく振り分けることができます。
②タぺクリ(タペットクリアランス、バルブクリアランス)
最近は市販のバイクでもINバルブやEXHバルブは軽量なチタン合金材を使うのが普通になっています。チタンバルブは熱処理等で表面硬度を向上させにくく、摩耗には弱い材質です。一方IN/EXHバルブはシリンダヘッドのバルブシートと高温化で開閉着座を繰り返し吸排の掃気と密閉を行うドアの役割をになっています。よってチタンバルブ仕様のマシンは以下の事象が鉄バルブよりも起きやすいです。
→バルブフェース面、バルブシート面摩耗
→バルブ着座位置の変化/突きあがり
→タペクリ(バルブクリアランス減少)
→高温時or常時のバルブ開きっぱなし(着座不良、シールせず圧縮が漏れる状態)
→未燃ガスの吹き抜け
→始動性悪化、DR悪化、アフターファイヤーなど異常燃焼着火
よってエンジンに違和感を感じた場合、タぺクリが詰まっていたら(減少していたら)原因系の一つはバルブまわりだと確認することが出来ます。しかしタぺクリが減少している場合の不具合の多くは始動性不良や全体的な出力不足です。今回のようなある特定のモードで『バババっ!』と異常燃焼音がする不具合には繋がりにくいです。
まとめ
内燃機関の基本、
良い火花
良い圧縮
良い燃料
やっぱこれです。
どんだけICEが進化して、それに伴い部品点数が増えても、
不具合発生時に疑うところは、これです。
この上記3つに真っ先に関係する1次部品。
プラグ/タぺクリ/ガソリン 4stならまずこの3つ。
ECUとか疑って買わなくてマジ良かったです。。。
今日はこのへんで。
またね。
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