PR

2stエンジン かからない〜!リードバルブを要確認です。

MAINTENANCE
この記事は約15分で読めます。
スポンサーリンク

2stバイクで暖気後なのにチョーク引かないとエンジンかからな〜い

エンジンが温まっている状態なのに、なぜかチョークを引かなければエンジンが始動しない場合あります。

例えば、走行中断してサスセッテイング変更後、再走行しようとエンジン始動するととき。

例えば、レース直前スターティングマシンにバイクをセット後、マーシャルに従い一旦ENGストップ。

その後スタートに向けてENG始動しようとしたときに、なぜかチョークを引かなければ始動困難なとき。

そもそもエンジンかかっても、チョーク戻すとすぐエンストしそうな感じがする時ありますよね。

いつ何時もチョークで始動。何が起きているの?

ガソリンを濃くしないと始動しない状態になってるという事です。

暖気後、通常ならばチョークは使用しません。オートチョークが付いたマシンであれば、その水温を検知して

チョークは作動しませんので、ENG始動すら出来ない。

手動式のチョークは付いたバイクだからこその利点なのですが、なぜチョーク引かないと始動しないのか?

ガソリンが薄い状態になっているのです。

結論:リードバルブの板が破損している可能性があります!

リードバルブが割れると混合気がキャブレター側に吹き戻るので、2サイクルエンジンが

正常時に行う、掃気と圧縮と排気の工程が正しく行われていない状態になっています。

リードバルブはキャブレターの下流位置で、一方通行のドアの役目をしています。

修理はリードバルブ板のみ交換すればおしまいです。簡単なものです。

どこが割れるのか

①先端の割れ。

②締結部付近の割れ

大きく2つです。

完全に割れていなくても、樹脂の場合は内部の繊維が割れている場合があります。

特に締結部付近は応力が集中しやすいので、局所的に内部が割れている場合が多いです。

内部が割れていると、そのSPG特性は低下していますので、バルブとしての開閉性能が低下しています。

また、板が割れる位置はそのリードバルブが最も仕事をしている窓というかドアが真っ先に割れます。

例えばCRケースリードだと右側の上側とか。よくチエックして癖をつかんで効率よくメンテしましょう。

割れると何故薄くなるの?

リードバルブは2サイクルエンジンに付いている唯一の機械的な弁です。混合気の流れを一方通行に制御します。

この一方通行のドアが破損してしまっていると、掃気も排気も逆流するようになります。

燃焼室には排気ガスが残りやすくなりますので、混合気は薄くなります。

また、逆流するとキャブレターへの負圧が正しく発生せず、ガソリンが供給されにくくなります。

キャブのメインジェットなどが全て正しく機能しなくなります。

よって慢性的にガソリンが薄い状態となり、例えば始動時はいつもチョークを引かなければ

エンジンがかかりにくなります。

薄いのはキャブセッティングである程度相殺できますが、1次圧縮2次圧縮ともに下がっていますので、

馬力も下がっています。

リードバルブの必要な機能、性能、耐久性説明

ワンウエイバルブの一つです。片側にしか通路は開きません。

弾性のある板です。0.3㎜~0.5㎜の板です。

ピストンの上下によって発生するポンピング圧力をキャブレター側に逆流させず、燃焼室側に圧力をかけるため

に必要な部品です。ピストンの上下運動と同じ数だけ開閉しています。とても仕事量は多い部品です。

まるでJISの片振り疲労試験をやっているかのような過酷な条件下で彼は働いています笑。

7000rpm回るエンジンなら7000回/分のドアの開け閉めを行います。

きっちり開いてくれないと、混合気が正しくたくさん流れてくれませんし、

きっちり毎回閉じてくれないと、混合気の吹き戻しが発生します。

2stスクター量産車や廉価な車両はSUS材を使用します。

高性能な車両ではFRPやカーボン素材が使用されます。

FRPからカーボンに移行した理由は、軽く、そして強度があり、大量生産で安くなったからです。

リードバルブは奥が深い。エンジン特性が大きく変わります。

そうなんです。

ここまで読んでくれた人は理解できて来たかもしれません。

10000rpm回る2stエンジンなら10000回/分できっちり追従して開け閉めしないと、馬力も出ないし、

回転数も回らなくなるのです。

スプリングに近い特性が必要なのです。

本当は減衰特性も欲しいかも。

固定荷重、作動荷重、バウンス、ジャンプ、応力。。。いろいろ配慮してあります。

リードバルブの板はカーボンでも板厚違いや繊維の方向違い、はたまた素材メーカー違いなど

たくさんのSPG特性を持ったリードバルブが存在します。

高回転ENGには固めの板で高回転時の開け閉め動作の追従性を。

低回転ENGには柔らかい板で、負圧が低い低回転域でもリフトしやすく、混合気がたくさん流れるように。

話しはつきませんので、今日はこのへんで。

まとめ

エンジンが温まっているのに、チョークを使用せねばENG始動しないのは、リードバルブが割れている。

交換は簡単。キャブを取り外し、インシュを取り外し、リードバルブBODYを取り外すだけで作業可能。

板は若干曲げが加えられているので、張り付ける裏表を注意してBOLT ON。

リードバルブ新品にすると、始動性の改善は当然として、

おそらくDR(ドライバビリティー)が激変するはず!!!

リードバルブは奥が深いです。

またね。

コメント