週末バイクに乗るのに2stOILが無い!買いに行く時間も無い~。どうしよう!
最近2stオイルって手に入りにくいですよね。
週末バイクに乗るのに2サイクルOILが無い、買いに行く時間も無いって事は結構あります。
混合用OILはあそこにバイク屋さんじゃないと手に入らないってことありませんか?
今回はネットで容易に購入できる2stオイルを調査・比較しました。

結果発表!35種類ネットで入手可能です。
2025年5月、35種類入手可能!正直なところその豊富さにビックリです。特に混合用2stオイルは想像を超える種類がネットで手に入ります!
前提条件
AMAZON、楽天、ヤフーで容易に購入できるもの。
街乗りバイクからレーサーまで50cc~500cc排気量が対象。
オイル整理にあたり、値段と主成分(鉱物、部分合成、全合成、植物油など)から狙いのバイクカテゴリーごとに4つに整理。
補足としてそのバイクのエンジンがどのくらい高効率なエンジンかを認識し適切なグレードのOILを入れるためにリッターあたりの出力と、ピストン平均スピードを記載。
それでは結果一覧行きましょう~!
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スクータークラス リッターあたり100馬力以下

リッター100馬力以下。ピストンスピード15m/s以下の車種向けと考えられるOIL群。シビアなコストと環境対応2サイクルオイルラインナップ。
適合する車種はHonda2stジャイロ(ピザ屋)、Yamahaメイト(新聞配達)、ヤマハ2stギア(ヤクルトフル積載)など。それぞれ走行モード、積載重量、アクセル全開率が異なりそうですが、共通点はカーボンによるマフラーの詰まり対応、白煙の匂いと色の対応。各社その車種の主要な走行モードに合わせたオイルを開発販売している事が予想できます。
このクラスは間違いなくメーカー指定2stオイルを入れる事でトラブルを最小限に出来そうです。
■HONDA SUPER FINE 1980年初代タクトなどこのクラスの車両はこのOILで開発している様子です。当時モノにノーマルで乗車する分にはこのオイルが一番不具合が出にくいと思われます。JASO FC。
■YAMAHA オートルーブ スーパービジネスオイル。 スクータークラス唯一のJASO規格FDのオイル。ヤマハは50㏄ビジネス機種に2stを販売し続けましたので最新の技術で専用OILを開発した様子です。住宅街でSTOP&GOを繰り返すメイト系、2stギヤに特化したOIL。
■スズキ純正 CCIS スーパーFC。 スズキの2サイクルの歴史を支える2stOIL。レッツから4Rジムニーまで、多くのユーザーの安心と信用を得られているOIL。日本のホームセンターから消える事は無さそうです。JASO FC。
■CASTROL Go 2T。おそらく日本で最も手に入りやすい2stOIL。JASO FC。スクーターなどの小排気量車向けに設計され、エンジンの清浄性と耐久性を確保。日常の短距離移動に適しているオイル。お値段超リーズナブル。
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街乗り2st125CCクラス リッターあたり100馬力以上200馬力以下

1リッターあたり150馬力前後、ピストンスピード19m/s以下の車種向けと考えられるOIL群。部分合成油が多い。
適合する車種はNSR50/80、NS125F、DT125、SDR、ウルフ125などマニュアルミッションのON/OFFモデル125ccなど。誰もが乗りやすく、開けやすいマシンが多いためOILメーカーカタログ通りの違いが最も体感できるのが、このクラスの車種だと言える。
白煙の量や匂いを気にする場合はFDグレードのOILを入れると抑制できる可能性はありますが、走りっぷりを気にするならば、FDよりFCグレードのOILをこのクラスにはお勧め。
■HONDA ULUTRA 2 SUPER 。ミニバイク(NSR50)ユーザーはGR2より2 SUPERを好む人が多いです。燃焼フィーリングがいいんでしょうかね。JASO FC。2サイクルエンジン用オイルに求められる、耐焼き付き性と清浄性がバランスよく備わったベーシックオイル。
■YAMAHAオートルーブスーパー。私の1987キリンメッツチャンプCXや1990TZR250にも入れた昔からのHAMAHAのSTD2ストOIL。JASO FD。半合成油。

■ELF MOTO2 オフロード。部分合成油 JASO FD。 ELFの中では値段も手ごろで良さそうなOILです。オフロードからオンロード、街乗りからスポーツ走行までマルチに対応。耐熱性に優れたベースオイルと添加剤の配合により、混合気をクリーンに燃焼させデポジットの発生を防ぐ。OEM純正販売終了に備えTESTしておきたいOILの一つ。
■MOTOREX FOMULA 2T。KTM、Husqvarna純正推奨OIL。部分合成油。デイトナが販売する外車向け2stオイルの売れ筋商品。私も入れたことあります。流動性よし。
■ Castrol POWER1 2T。 全合成油。 JASO FD。 このOILの上にPOWER1 RACINGがあるのでこのカテゴリに掲載しましたがハイスペックで廉価なOILの様子。さすが層が厚いカストロール。日常使用からスポーツ走行まで幅広く対応。エンジン内部の堆積物を抑え、排気煙の発生を最小限に抑える設計。
■MOTUL 510 2T2。 化学合成油。JASO FD適合。2025年5月時点のMOTUL 日本正規輸入カタログには510 2T2は無くなっており日本仕向けは上位グレードに絞ったようです。一般走行およびスポーツ走行用に開発され、ガソリンとの混合性能を向上して分離給油型2ストロークエンジンにも適したOIL。
■LUCAS 2CYCLE OIL。半合成OIL。JASO FD。AMA ナショナルモトクロスの冠スポンサーでお馴染み。輸入実績が少ないのでその実力詳細は未知数。
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レーサーレプリカ、OFF車のクラス リッターあたり200馬力以上250馬力以下

でました! レーサーレプリカ及びコンペティションモデル向け2サイクルオイル。該当車両はNSR250、TZR250、ガンマ250などの2気筒勢、海外勢OFF車のKTMグループや日本勢のCR/CRMなどの単気筒勢。全化学合成油がメインのカテゴリ。
1リッターあたり220馬力前後、ピストンスピード23m/s以下の車種向けと考えられるOIL群。分離/混合どちらにも使える高性能OIL。
このクラスになると、欧州OILサプライヤーからはオフロード車専用2stOILの設定があるのが特徴。250~500CCの単気筒OFF車はある程度のビッグボアでロングストロークの場合が多く、ピストンスピードは速く実は設計的に負荷が高い。より潤滑性の高いOILを使いたいところですが、アクセルの急開急閉が多いことと、ビッグボアによって燃焼コントロールが難しく不完全燃焼に伴う特有のカーボンが発生しやすい。よって清浄性を高めている。

またマッド走行時の水進入による乳化を抑える成分の配合を付加価値とした商品もある。
分離給油ユーザーの不満の多くはサイレンサーからのオイル垂れを気にしてのオイル銘柄迷走→ENG不調かと思います。しかし白煙やオイル垂れは分離給油の基本性能と多様な走行モードによるところの影響が大きい部分です。街乗りONLYのユーザーもいれば、自走サーキット走行ユーザーもいます。渋滞路や高速道路な多様なスピードレンジ、多様なアクセル開度、その頻度が多様なため、OILの合わせ込みはサーキットONLYの車両よりも難しいと思われます。
このため、オイル銘柄に過度に期待することなく『ま、こんなもんだ』と納得して頂くことも大切かなと思っています。
■HONDA GR2。 CRシリーズ開発オイル。 部分合成。JASO FD。2023年にFC→FDの変更認可取得している。少なからず成分は変更されていると考えられる為、当時とはドライバビリティの点で変化があると思われるが、その領域も含め同等性は保証されたOEM販売のハイグレード2stOIL。
■YAMAHA オートルーブスーパーRS。化学合成油。JASO FC。ヤマハは青缶があまりに有名でこのハイグレード版は若干影が薄いです。YAMAHAさんは2stOILの研究にも熱心なのですが、絶対性能やドライバビリティを優先しこのクラス用のオイルをあえてFCグレードのまま残したのか、ただ単純に放置したのかは不明ですが、今回の調査で興味が沸いたOILです。
■KAWASAKI 2サイクルオイル 2T-R。部分合成。JASO FC。カワサキ純正2stオイル。カワサキはモトクロスコンペティションモデルで、2サイクルを今でも量産しているメーカーの一つです。このオイルは現役バリバリのOILだと言えそうです。もともとカワサキは50㏄スクータークラスには2サイクル機種を設定していませんでしたのでこのオイルはモトクロスコンペモデルのKX65CC~KX500とKSR,KDXをカバーする使用用途が明確なOILかもしれませんね。ハマればいいOILかも。
■SUZUKI CCIS TYPE2。スズキの2サイクル高性能オイル。スズキ純正の2stオイルの特徴はジムニー(4R)にも入れる仕様であること。その為、酸化安定性が強化されている記載があります。お客様の使い勝手実情を把握しながら自社が販売できるラインナップの種類を天秤にかけてあえて販売していると考えられるSUZUKIらしいOILだと思います。
■ELF MOTO2 TECH。化学合成油。JASO FD。エンジン保護性能と清浄性能に優れたシンセティックオイル。TESTしてみる必要があるかもOILの一つ。値段はそんなに高くないですね。
■MOTOREX CROSS POWER 2T。 混合推奨。 オフロード車用に開発したオイル。お値段がちょっと高いですが、KTM純正指定OILメーカーのラインナップの主力製品です。KTMとのマッチングは間違いないのでしょうね。
■MOTOREX POWER SYNT 2T。潤滑性能と清浄性を兼ねる ロードモデル用。
■Castrol POWER1 RACING ULTIMATE。全合成油 FD。現在のカストロール2stオイルの最高峰。A747は私は結構使ったことありますが、こちらは不明です。
■MOTUL 710 2T2 全化学合成油。
■WAKOS 2CT。私も使った事あります。ミニバイクの世界ではユーザーは多いです。
■MAXIMA フォーミュラーK2インジェクター。全化学合成油。
■LIQUI MOLY Street Race 。全化学合成油。
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レーサー車両向け リッターあたり250馬力以上 (混合専用OIL)

該当する車両はRS125/250、TZ125/250、などのロードレーサーや2サイクルモトクロス車両KTM、Husqvarna、YAMAHAなど。1997HRC市販のNSR500V(2発)が払い出しで130馬力以上、リッター260馬力。同時期 NSR500(4発)ワークスが200馬力前後と言われています。リッター400馬力。
ということで、最後はリッター250馬力以上、ピストンスピード23m/s以上の車種向けと考えられるOIL群。馬力は出るだけ出したいマシン。混合用OIL仕様は大きく3つ。鉱物油、100%化学合成油、化学合成油と植物油のミックス。
潤滑面で混合OILマシンの厳しい領域は高回転アクセル全閉モード、すなわちエンジンブレーキ区間。分離給油バイクは、高回転でアクセル全閉だと2stOILばかり吐出され過潤滑になり易いですが、混合車両はアクセル全閉だとスローやアイドルバイパスからの混合ガソリンが吐出されるだけだから。特にロードレースの6速全開ストレートエンド、デトネーションカウンターが数回打つほど燃調を絞った状態からの1コーナー減速区間、6→5→4→3とひたすら全閉でガソリンもOILも供給されない区間をピストンは数秒間耐えなければなりませんでした。70~80年代、鉱物油ベースのOILに対して天然の植物油の潤滑性能が圧倒的に勝っていた時代、多く使われた理由の一つ。
現在は開発が進み全合成油でも同等以上の潤滑性能とその他の付加価値が得られている時代ですが、燃調セッテイング時にピストントップの焼け具合、掃気→EXH側へのカーボンの付き具合の目視確認で、薄い/濃いの判断が出来るため、その焼け色判断スキルが身に付いているメカは今でも使い慣れた植物油ベースを好んで使っている。
混合仕様の良いところ。基本的にOILは必要最小限を安定して供給できますので、絶対出力は出しやすくなる。また、上記にもある様に機械式OILポンプは構造上ENG回転依存ですのでエンブレ区間でOIL過多となる為、再加速時に燃焼が不安定になりやすいですが、混合ガスは混合比が一定ですので全閉からの再加速も安定して正常な燃焼が得られます。トラクションのかけ始めからの再加速の駆動力が安定し、質の高い走行が可能。

■エルフHTX976 HRCとELFの共同開発。RS125R、RS250R、NSR500V、TLR260、RTL250R の指定オイル。私もレースガスとセットで使った事があります。匂いがレーシー!!!!(それはガソリンかな?)
■HTX909 ROTAX Parilla 指定オイル。植物油と合成油のブレンド。2R、カート。定常高回転向け。
■ELF MOTO2 RACE 100%化学合成。サーキット、エンデュ―ロ。エルフSTD混合2stオイル。上記2つがOEMとの共同開発品の位置づけに対してこちらはELFのレース用デフォルト品。
■YAMAHA ヤマルーブ2R。 鉱物油。混合専用オイル。 YZ開発のオイル。YAMAHAさんは現在も2stバイクを量産しているメーカーの一つです。OILメーカーにとっては実機TESTをして頂けるOEMは大変貴重な存在です。このOILは全化学合成油や植物油でなく、鉱物油でつくったコンペティション向け2stOILです。使ってみたいOILです。ヤマハさん結構いろいろ今でも2st開発やってそうです。
■MOTUL 800 FACORY LINE OFF ROAD 2T。OFF特有の水分混入時の乳化を抑える設計。水分を気にするところがWGPや欧州のEDシーンを意識したものですね。2stキャブ車はスロットルバルブが乳化するとバルブが張り付いてまあまあ大変なことになります。現行のHRC MXGPチームはMOTULを使用していますが、2stとの相性はどうなんでしょうか。気になります。
■MOTUL 800 FACTROY LINE ROAD RACING 2T。 不純物が少ない配合でデポジットを抑えるSTDオイル。
■WAKOS 2CR。日本老舗ブランドの2stOIL。私も使った事があります。植物油と化学合成油。CIK/FIA公認オイル。
■MAXIMA Castor 927 Rasing Premix。AMA SX/MXの看板でおなじみ A747に近いと噂 化学合成+植物油。日本の多くのMX/ED用品有力ショップで販売されている商品。かなりの信頼性を獲得している様子です。
■MAXIMA フォーミュラーK2。100%化学合成 US SUZUKIファクトリー共同開発 高回転向き。ケンロクスン大好き!ってこれは2stオイルか。。。
■YACCO MVX RACE MOTO2。全合成油。国際モト連盟(FIM)認証オイル。ロードレース、MX、ED向け。日本では西に行くとショップやユーザーは多いです。私の友人も福岡で使っていました。
お勧め2ストオイル!
HONDA CR250などモトクロス車に乗る私のおすすめは HONDA GR2。超守りー(面白くな~い笑)。私は四半世紀使いました。どんな乗り方をするとどんなカーボンがピストンに付くか、どんな乗り方をするとプラグが被るか、どんな時に焼きつくのか、もうおよそ予測が付きます。

もしかするともっと良いオイルはあるかもしれません。しかしいつもの相棒、安定した入手性と値段が決めて。ポイントはいつもそばにいるいいやつ。
私が試したいと思ったOIL!
YAMAHA オートルーブスーパーRS
YAMAHAが多分意思入れして残したFCグレードの分離オイル上級グレードのフィーリングを確認したい
まとめ
2025年5月時点で35種類の2サイクルオイルが容易に入手可能です。
HONDAは今年春に純正OILラインナップを刷新しましたが、過去販売していたラインナップの
3種類をそのまま継続しています。
2サイクルモーターサイクルはいまの時代でもオフロードの世界では一定のユーザーを獲得しており、
その市場は小さくはありません。
ただし、電動化の流れは確実に迫っており、今後OEMが純正2stOILの販売を中止した場合、
例えば私のような純正OIL信者は強制的にOILサプライヤーが販売する汎用2stOILに切り替えなければ
なりません。その時に備えてOIL業界OEMの汎用2stOILもそろそろ試す時期かなと思いました。
また、今回OILの勉強を少なからず行わさせて頂きましたが、混合OILは目的がシンプルなだけに、
各社の特徴が最も出ている製品が多く、試してみたいと思う製品がたくさんありました。
私の街乗りTZR250も混合仕様にしてみようかな?
それではまたね。
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