2サイクルモトクロッサーに乗っていて、「高回転までエンジンがスムーズに吹け上がらない」「中回転でボコつく」「頭打ち感が出る」「全開にするとかぶる」といった症状に悩んだことはありませんか?その原因の多くは、キャブレターセッティングにあります。ジェットやニードルの状態、さらには季節や気温による空気密度の変化によっても、エンジン特性は大きく左右されます。本記事では、2st特有のキャブセッティングのポイントと、高回転域で力強く回すための調整方法をわかりやすく解説します。これを読めば、原因を切り分けながら最適な調整を見つけるヒントが得られるはずです。
高回転で回らないとき、メインジェットをいじるのは「最後」です

高回転でエンジンが綺麗に回らない症状が出ると、
「メインジェットが合っていないのでは?」と考える方は多いと思います。
ですが、初心者の場合、いきなりメインジェットを変更する必要はほとんどありません。
理由はシンプルで、
メインジェットは影響範囲が広く、先に触ってしまうと原因の切り分けが難しくなるからです。
実際には、高回転の不調であっても、
- エアクリーナーエレメントの汚れ詰まり
- キャブの各ジェット類と通路の詰まり
- 二次エアの有無
- キャブ内部のフロート油面(オーバーフロー)
- プラグ
といったもっと初歩的な部分が原因になっているケースが多くあります。
これらを確認せずにメインジェットだけを変更してしまうと、
「良くなったのか悪くなったのか分からない」
「元の状態に戻せなくなる」
といった状態に陥りがちです。
そのため本記事では、
メインジェットは最後という前提で、
初心者でも失敗しにくい確認手順を、順番に解説していきます。
結論です。症状から見ると「濃い」可能性が高い場合の確認ポイント
👇これは2st、4st、キャブ車、Fi車共通っす。

2stモトクロスバイク、中高回転が綺麗に廻らない。なんだかボコつく。全開でかぶる。
そんなときはおそらくガソリンが濃いです。
もちろん薄い可能性もありますので試しに簡易確認してみる手法があります。これはぜひ前の項で書いた初歩的な部分をクリヤにした後に行ってください。
エアスクリューを緩める方向に半回転ほど回してみてください。その状態で再度トライしてみてください。多少良くなりますか?良くなるなら、ガソリンが濃いです。
👉関連記事超初級編!2ストロークキャブセッテイング エアスクリュー調整
エアスクリューはスロットル低開度のみに影響しますのでエンジン高回転側には効果は薄いですが傾向は確認は出来ます。
また、マシンが量産状態に対し改造が少ない場合はマニュアルを参照してみて下さい。その日その場所の外気温、高度に対してOEMが推奨するキャブオーダーに変更してみて下さい。きっと普通になります。

今日は高回転がボコ付くばい。なんでなん?

それはメインジェットが濃いとじゃなかね?
下の写真は2025年5月のAMA MX R-1 FOXレースウェイで見つけた2005~2007CR125かっこいいです。

👉濃い時はチョークの作動確認も必要です!まさかのCR500部品取り!? KIRIN Mets YAMAHA CHAMP CX オートチョーク手動化
今日のお題。2stエンジン高回転が綺麗に吹けきらない事象
2ストロークバイクでアクセルを開けたときに高回転で綺麗に廻らないない、あるいは実際にそのままエンストしてしまう――そんな悩みを解決します。この記事では、キャブレター車でよくあるこの症状の原因や、調整ポイント、セッティングの基礎知識まで分かりやすく解説します。初心者でもすぐにできるチェック方法も紹介!

👉関連記事 2stキャブ調整が沼る理由|結局直らなかった原因と解決策【体験談】
よくある高回転のボコつきとは?

走行前の暖気運転中に気がつく場合が一般的です。アクセルをスナップしてエンジン回転数を上下させながら段々高回転まで空ぶかしすると思いますが、高回転が綺麗にまわらずに頭打ちすることがあります。パイーンとまわらず、ボコボコいいます。そのゾーンでアクセル全開にすると、そのままエンストしそうになります。低中回転領域は問題ない状態です。
まるでチョークを引いたままの様な状態です。
2st特有の事象か?故障か?と言えば
よくある特有の事象です。
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2st特有のよくある事象補足

チャンバーの効果が出る回転域で2stは一気に出力が発生します。上図のB点からA点に向けて一気出力が立ち上がるイメージです。但しピンポイントの条件なのです。2stエンジンがピーキーだと言われる由縁です。その条件を外すと顕著に出力が低下します。よって各社OEMはできるだけ外乱の影響を受けにくく安定して出力が維持されるような設計を行いました。但しロバスト性を持たせると、ピーク馬力や、力強い部分が無くなりやすいので各社苦労したところです。たとえばミクニTMXχはセッティングが決まるとピーキーな特性を補う凄くいいアイテムですが、セッティングスキルを必要としました。
確認の方法

アイドリング回転域から、アクセルパーシャルで回転が維持出来るところを探します。そこから少しずつアクセルを開け増しします。5%、10%、15%・・・。そのアクセル開度でそれぞれエンジン回転数が正しく上昇し、そして維持するかどうか確認します。各アクセル開度で5秒〜10秒アクセルを維持します。パーシャルです。キャブセッティングが適切だとパーシャルで回転数が維持できます。調子が悪いとその回転数を維持できません。高回転域は低回転域に比べガソリンが濃いか薄いかの影響を受けやすいのでキャブセッティングを外している場合、7000回転くらいからきれいに廻らないところが発生しやすいです。
たぶんボコボコいってますか?
綺麗に廻らない回転域が見つかったら更に詳細を確認します。アクセルパーシャルから少しずつ開け増しするとふけ切るか/吹け切らないか、アクセルパーシャルから一気全開にするとふけ切るか/吹けきらないか。
パーシャルからゆっくり全開して吹け上がるけど急開すると吹け切らないならば、ジェットニードルが怪しい。
パーシャルからゆっくり全開でも吹け上がらないならば、そもそもメインジェットが怪しい。
そんな具合に確認して判断します。
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👉関連記事 ”【初心者必見】これで安心。潰れた2stチャンバーの膨らませ方!”
そもそも高回転でボコつく原因
初歩的な部分その① 燃料系、供給不安定
燃料ホースや燃料コック、燃料タンクキャップの詰まりが無いか。そこはOKなら次へ。
👉関連記事 ”2stエンジン ガス欠焼き付き原因はタンクキャップ!?”
初歩的な部分② 点火系、プラグの劣化
プラグがかぶってないか。案外プラグ替えると治ります。更にイリジウムなどの着火性のよいプラグは多少キャブセッティングを外していても、燃やしてくれます。
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初歩的な部分その③ EXHデバイスの作動不良

排気デバイスが付いているなら正しく作動しているかどうか。RCバルブ、YPVSなど。排気デバイスは多くの場合、カーボンが付着して動きが悪くなりますので定期的なメンテが必要です。カーボンが溜まり一部は焼き付くとエンジンの冷間時は動きが渋くなります。そうですエンジン始動直後の暖気中です。エンジン各部が暖まると一般的にはクリアランスは広くなります。そして排気デバイスまわりに付着した未燃ガスを含むオイルの流動性が良くなり排気デバイスは動きが良くなります。よって正しく作動しているか確認することは高回転域の不具合確認ではとても重要です。
初歩的な部分その④ エアクリーナーエレメントの汚れ詰まり

エアクリーナーメンテしてますか?笑。自分もさぼり気味なのでちょっと反省も込めて聞きます。エアクリーナーエレメントが汚れて詰まり気味だと吸入抵抗が発生するので確実にキャブセッテイングはズレます。濃くなります。どんだけ影響するか?と言われると程度に寄りますが、少なくともその吸入抵抗は低回転域より高回転域で影響が出やすいです。
👉関連記事 馬力復活!バイクのエアクリーナーエレメント洗浄方法
そして、キャブの状態
メインジェットの詰まりが無いか。オーバーフローが無いか。
無ければ今日のお題セッティングそのものとなります。
先に書きましたが綺麗に吹けきらない原因には濃い場合と薄い場合があります。両方ありえますので、
試しに確認する方法があります。
エアスクリューを緩めてみて薄くした状態でどうなるか確認します。
だめならエアスクリューを締める方向に回してガソリンを濃い状態にしてみます。
どうですか?どっちがいい感じですか?
この作業でだいたい方向性が判断できます。
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補足
無負荷でボコつく場合はだいたいの場合ガソリンが濃いです。無負荷では薄すぎてもボコ付くことは少ないです。
逆に実走時にアクセル急開でボコ付くのはだいたい薄い場合です。わかりやすい事例はジャンプ着地やフープスでキャブは揺すられてオーバーフローします。油面が下がり供給されるガソリンが減ったときに薄い症状が出ます。
こんな時はメインを濃くする他にエアベントチューブを工夫してオーバーフローを抑えたり、フロートの油面を上げたりします。
👇関連記事 バイクのエンジンがかからないときのチェックポイント|原因別対処法まとめ
エアスクリューはピックアップをつかさどる。ただし簡易確認にも最適。
エアスクリューはアクセル開け口の最初の部分でのエンジンピックアップをねじ1本で確認できます。今日のお題は高回転域なので本来ならメインジェットの影響が大きいですが高回転域が廻らないくらいキャブセッティング外している場合は低回転域からすでにセッティングズレている可能性がありますのでエアスクリュー調整でも簡易的な確認ができます。簡単な方法なのでやってみてください。
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方向性が分かったら、最初にメインジェットの最大流量を調整します。

エアスクリューを緩めて薄くすると良くなったなら、方向性が分かったのでいまから具体的にメイン系を変更します。
濃い事が分かった場合は、最初はメインジェットを確認します。2ランクは下げてみてください。
次にジェットニードルのクリップ段数を確認します。クリップの位置が極端に下の位置にありませんか?
スロットルバルブ開度に対して相対的にニードルが引っ込んでいる位置だとがガソリンが
先走って吐出されますので濃くなりますよ。
クリップの段数をセンターにするか、試しにセンターより上にしてください。
スロットルをあおったときのガソリンが薄くなります。
全開領域はメインジェットで決まってますので、レーシングして確認してください。
最後にスロージェット。スロージェットはあまり選択肢がないはずですので、そんなにずれていないのでは
ないかと思いますが、確認して濃いようなら、1ランク下げてみてください。
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ポイントは中間回転域に影響するジェットニードルは後まわしで良い。
優先順位の話し。
ミクニTMX改が付いたKTMなどはジェットニードルのテーパ形状が超トリッキーなものがあります。

中間開度での濃い薄いをピンポイントでコントロールしています。今回のような事象の場合ついニードルクリップ段数や、テーパー角度違いを先に疑いたくなる場合がありますが、上が廻らないならばまずはメインジェットを単純に絞って上がシンプルに廻るようにします。なぜならばメインは全域に影響するので、ニードルなどの細部セッティングがやり直しになったりします。また、上まで綺麗に廻るようになると現実的には案外全て許容範囲に収まったりします。
ニードルクリップ段数やニードルテーパー角度違いはまた今度にしましょう。

ジェットニードルが怪しいとばい!

先にメインジェットを決めないかんとよ
👉ニードルいじりたい人はこちら初級編!2stキャブセッテイング ジェットニードルのクリップ段数調整
まとめ
無負荷でアクセルをスナップしたときにボコ付くのは濃い場合。
エアスクリューを回して方向性を確認し、濃いならばメインジェット番手を2ランクほど薄くする。
その次にジェットニードルクリップ段数を確認し基本はセンターにセットアップする。
またね。
👉キャブをバラす場合はまず付近の脱脂洗浄にお勧めのダートスコート
👉エアスクリュー調整は実は頻度が多くねじを舐めやすいのでシャープな専用ツールで。
👉フロート室組みバラシは作業中にねじを落下、紛失が多いです。マグネット付きドライバーがお勧め。
👉メインジェット締結はメガネで作業するとねじ切る場合があります。これお勧めです。
👇CR250キャブセッテイングの前にまずはプラグから!よく燃えるプラグのお勧め。#8番のイリジウム。
👉私が一番好きな本です。2stエンジンいじるなら読みたい本です。










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