結論です:試しにファイナルレシオを変更してみてください!
スプロケットの丁数を1丁で良いので、大きいものか、小さいものに変更してみてください。
ファイナルレシオの変更と言います。ロングレシオになる方向でも、ショートレシオになる方向でも、
どちらでもいいです。1丁なら、チェーン長さを変更しなくても、アジャスト調整の範囲で可能です。

なぜならば、ピーキーな特性の部分で飛ぼうとしているかもしれないから!
そうです!今日も私の話しは当然2stモトクロス車が前提ですが、4stにも通じる話しです。
エンジンのパワーバンドってあります。2stなら、7000rpm~9000rpm。
キャブセッテイングにもよりますが、特に7500~8000rpmは一気に加速します。
回転上昇がとても早く馬力が一気に出るところ。2stエンジンの一番おもしろい特性の部分です。
でも、この回転上昇の速い部分でジャンプを飛ぶのは実は結構難しいです。
フロントタイヤがしゃくれ上がる可能性が十分にあります。
よって、この回転上昇が早い部分で飛ばないですむように、フィアナルレシオを交換するのです。
例えば3速で飛んでいたジャンプをスプロケット交換で1丁ロングレシオにすれば、
同じ3速でもジャンプの飛びだしでのエンジン回転数は少し低くなります。
エンジン特性のピーキーな部分で飛ばずにすみます。
これももね、結構有料級のノウハウですぜ!!

背景:ジャンプの姿勢が安定しない時ってよくありますよね。
3速で飛ぶような大きめのジャンプ。
例えば、
藤沢のテーブルトップ、
白河の下から飛ぶテーブルトップ、
榛名のテーブルトップ、
川西のテーブルトップ。
マシンは2st250がもっともパワーバンドが強烈ですので、フロントがしゃくれ上がるようなモードに
なりやすいです。
みなさんこんなとき、どのように対処しますか?

空中でフロントに体重移動する。
空中でリヤブレーきを踏む。
キャブセッテイングを濃くしてピーキーな特性を緩慢なものにする。
成り行きでそのままリヤから着地する💦
今日はこのようなジャンプでの空中姿勢になり易い時にマシンで出来る事のお話です。
フィアナルレシオを変更すると何がかわるの?
簡単なところでは、最高速が変わります。
たとえばXR250の量産車、5速でMAX120キロは出るとおもいます。
13X42あたりのファイナルレシオではないでしょうか。
XR250で林道やED等に出る場合、低速区間をもっと走りやすくするためにドリブンスプロケットを48T前後にすると
思います。そのマシンでそのまま高速道路を走ると同じ5速でもレッドゾーン付近で最高速は90キロ
くらいになります。

これと同じです!
同じ3速でも、1Tロングだとエンジン回転数は下がり、1Tショートだとエンジン回転数は上がります。
ざっくり1丁で250rpmほどはエンジン回転数がスライドすると思います。
先に述べた2stパワーバンド7000rpm~9000rpmの中でも実際特に回転上昇が早い部分があります。
たとえば単気筒MX車だと7500rpm~8000rpmの回転域。
その回転域が丁度ジャンプの飛びだし付近に来ないように前か後ろにスライドさせるのです。

何が良くなる?
アクセルワークでコントロールしやすい回転域でジャンプの飛びだしを迎える事ができます。
1速と2速の間、1.5速のようなギヤ比、
2速と3速の間、2.5速のようなギヤ比、
3速と4速の間、3.5速のようなギヤ比
で、ジャンプ飛び出しを迎える事ができる様に
なります。いままで選択出来なかったレシオで
その区間を走る事ができ、
穏やかなエンジン出力特性のエリアを選択できるようになります。
よって飛び出しと、その直後の空中姿勢がつくりやすくなります!
図で示すなら、
図示Aの部分で飛ぶのではなく、(7000~8000rpm)
図示Bの部分で飛ぶようなイメージです。(6000~7000rpm)

応用編
コーナーにも使えます。
例えば大きくUターンするような難しいコーナーで失敗するとここでのタイムロスが大きい場合。

コーナークリップ前後のアクセル開け始めの位置で、1速だと空回りし過ぎる、
2速だとパワーバンドから外れていて遅い、
半クラッチを当てるのは数周なら可能だが、15分+1周は安定して加速できない。
この様な時に、ファイナルレシオを1丁すらして、コントロールしらすいエンジン回転域で
そのコーナーの最重要部を通過できるように調整します。
まとめ
モトクロスの3速で飛ぶようなジャンプで、空中姿勢が安定して作れない場合は、
ファイナルレシオを1丁ロングか、ショートに変更する。
これによって、アクセルワークでコントロールしやすいエンジン出力特性域にスライドできるので、
ジャンプの飛びだし姿勢がつくりやすくなり、安定してジャンプを飛べるようになる。
難しいセクションでは、あえてそのエンジンのストロングポイントを外したところを
使えるようにファイナルレシオ変更することが大切です。
またね。

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